ラーメンの基本2(タレ、アブラ、具)
前回に引き続きラーメンの基本をお話ししたいと思います。
タレ
タレは基本的に醤油、塩、味噌の3種だと思います。色々種類はありますが、これの派生と分類できると思います。以下では醤油ダレについて考えたいと思います。
タレは目指したいラーメンによって、シンプルにするか複雑にするかで方向性が違います。
シンプルな場合は「醤油+みりん」だけです。その代わり、醤油やみりんを徹底的にこだわり抜かなければ、満足の一杯は作れません。当然、ここデンマークはこだわり抜くほどの選択肢はないので、この方向性は避けたいです。
複雑にする場合、醤油やみりんとともに、昆布や煮干し、かつお節、干し貝柱などを一緒に煮込むことで、より複雑な味わいを追求します。デンマークでは乾物はあまり手に入らないので、ほんだしやいりこだしなどの顆粒だしを加えることになりそうです。
デンマークで手にはいる醤油とみりんを紹介します。
塩ダレは醤油ダレと考え方自体は一緒だと思うので、以上の話は醤油を塩に置き換えてください。味噌はまったく違う話だと思うので省略します。
アブラ
アブラはラーメンの中核となる部分です。ラーメン屋さんでも、他はまったく同じでアブラだけが違うラーメンが別のラーメンとして売られていることもあるぐらいです。それだけ、ラーメンを左右する要素でありラーメンっぽさを作り上げている要素です。
自作ラーメンを考えるときに、初めからアブラに注目する人は少ないと思います。どうしても麺とスープとその味付け、具が目につきますから。しかし、アブラを的確に使えば、香りや口当たりがぐっとお店のものに近づきます。
さて、アブラといっても実は香味油と動物系の脂の二種類に分かれると思います。
香味油
香味油はサラダ油やごま油、米油などの植物系の油に(たまに動物系も使いますが)、食材の香りを移した油のことです。
例えば、
- ねぎ油
- にんにく油
- ラー油
- 花椒油
などが挙げられます。中華食材コーナーに日本であれば売っていると思います。
作り方はおおむね多めの油に食材を入れて弱火でじっくり揚げ、ざるでこすだけです。(詳細はネットで調べればすぐ出てくると思います。)
デンマークではサラダ油とオリーブオイルが手に入りやすいと思いますが、『男のパスタ道』*1が明らかにしているように、油を十分加熱した場合、オリーブオイルとサラダ油の区別はつかないことが明らかにされています。(本の中では油を実際に飲んでいます)
そのため、十分オリーブオイルで香味油は作れると思います。むしろ、オリーブオイルの方がヨーロッパではこだわる人が多いので品質自体がオリーブオイルの方が高く、オリーブオイルで作った方が口当たりがいい気がします。
注意として、香味油は加熱しすぎると香りが消失します。(例えば、玉ねぎ油で炒飯を作ると本格化なのか – 炒飯の山)ですから、スープに入れるのではなく、「あらかじめ丼に入れスープを注ぐ」、「または完成したラーメンの上からかける」、が正しい使い方です。
脂
動物系の脂も独特の風味があり、様々なラーメンで使われています。ちなみに、こちらの方があるとないの違いが分かりやすい強い風味だと思います。
種類は牛、豚、鶏の脂に分けられますが、牛脂を使ったラーメンは珍しいので省略します。
鶏油(チーユ)
家庭でできる鶏油の取り方は二種類あって、
- 鶏皮をフライパンに乗せ弱火でじっくり加熱。脂がじわじわ出てくるので、皮から出る泡がおさまるまで脂をだす。
- 鶏ガラスープをとったあと、スープを冷やし上で固まった油をすくう。
の二種類がおもに使えるかと思います。
炒める方の写真しかありませんが…
このとき、皮を炒める方が癖が強い脂になります。なので、普通の醤油ラーメンなどに加えるときは少量でコクが出る前者の方がいいです。
逆に、鶏油まぜそばなど鶏油がダイレクトに味を決めるときは後者の方が向いてます。
ちなみに業務的には鶏脂という脂が集中した部位を煮て上澄みをとることで大量に作れますが、家庭ではそんなに大量にいらないと思います。
ラード、背脂
豚から取れる油としてはラードと背脂をおもに使います。
ラードを作るときは、チャーシューを煮た汁を冷蔵庫に入れて上に浮いて固まった脂を取るだけです。
背脂は日本では単体で手に入りますが、デンマークでは塊のロース肉などを買った時の脂身の部分を取ればいいです。まだこちらは挑戦してませんので詳細は後日書きたいと思います。
背脂はスープに加えたり、茹でてこすなどしてクリーミーにした後ラーメンに直接かけるなどします。背脂を使うとこってりラーメンが作れるようになるので、試行錯誤していきたいと思っています。
具
具に関しては、好きなもの乗せればいいと思います。
が、定番みたいなものはあるのでデンマークで作れるかどうかを見ていきます。
味付け玉子
味玉は簡単に作れます。
- 醤油:みりん:水=1:1:3 の混合液を沸かす(アルコールを飛ばす)
- ゆで玉子を作って殻をむく
- 1の液にゆで玉子をつけ、冷蔵庫で一晩以上寝かす。
みりんがなければ、白ワイン+砂糖で代替可能です。
チャーシュー
チャーシューは作れることは作れますが、あまり自分では納得いってません。
チャーシューの作り方自体はネット上に転がっているので、とりあえず自分が納得するまでは自分の方法を書かないでおきます。
ネギ、もやし、ニラ、のり
ネギはデンマーク中どこのスーパーでも手に入ります。英語ではspring onionですし、割と一般的な食材です。チャーシューを炊くときにスープに入れたり、ねぎ油をとったリアすることもできます。
これで100円ぐらい。日本と比べてだいぶ安い。味は日本のより薄め。
もやしはIrmaというスーパーで、ニラとのりはアジアンスーパーで手に入ります。日本よりぜんぜん高いけど。今度買ったときは写真撮ります。
とりあえず、基本編は以上ということで。
*1:土屋敦 2014, 日本経済出版