基本の坦々麺
課題が割と忙しくてあんまりブログ書けてません。
というかようやくラーメンのレシピが書けますね。
一発目のラーメンとしてはちょっと邪道な気がしますが、自信がないレシピはあんまり公開したくないので、割と自分でも納得している坦々麺を紹介したいと思います。
材料1人前
◆スープ
- 鶏ガラスープ 300ml ぐらい
- 椎茸スープ 120ml ぐらい
- 味の素 小さじ1
◆たれ
- 芝麻醤(後述) れんげ2杯
- 醤油 大さじ1
- 酢 少々
- ラー油 小さじ1
◆肉味噌
- 豚ひき肉 75g
- サラダ油 小さじ1
- 豆板醤 小さじ1
- 醤油 小さじ1
- 白ワイン 小さじ1
◆その他
- 四川担担麺
- チンゲン菜
- 花椒油(後述) 小さじ1から大さじ1
作り方(準備編)
◆スープ
ラーメンを一から作る時間はないので、スープは休日などにまとめて作って冷凍してます。スープをフライパンの上で溶かして温めればすぐにラーメンが食べられるので便利です。各スープの作り方はまとめて記事にします。まあ、全部一から作った方が美味しいんですけど…。
味の素は入れなくてもいいかもしれませんね。グルタミン酸が足りないなと感じた場合入れればいいものなので、、、また研究します。
鶏ガラだけのものも食べましたが、椎茸を入れた方がスープのボディがしっかりする気がします。グルタミン酸とグアニル酸が加わるからですかね。あと日本人好みの味と香りな気がする。
◆芝麻醤
芝麻醤とはごまペーストのことです。フードプロセッサーがなぜか自分の部屋にもともと置いてあったので、それを使います。一度に大量に作った方がいいので、まとめて作ります。ハンディタイプなので飛び散らないように、マグカップで作ります。
材料は
- 白ごま 100g
- サラダ油 75ml
作り方
- ごまを10分フライパンで焦がさないように混ぜながら中弱火で炒る。
- フードプロセッサーで一度細かくする。(このとき完全には砕けない)
- 油を加えてもう一度細かくして完成(ごまを完全に砕く)
◆肉味噌
- 油を引いて、ひき肉を火が通るまで中火で炒める。
- 醤油、白ワイン、豆板醤を入れ、汁気がなくなるまで炒めて完成。
陳健太郎さんのレシピでは酒と甜麺醤ですがこちらで手にはいる白ワイン、豆板醤で代用しました。辛いものが大丈夫なら、全く問題ありません。
◆花椒油
材料は
- 花椒ホール 大さじ3
- サラダ油 100ml
作り方
- 油をフライパンや小鍋で加熱する。
- 花椒ホールを袋に入れて、何かしらで叩いて砕く。(粉にする必要はないと思います。難しいので)
- マグカップなどの耐熱容器に花椒を入れ、チンチンに温まった油を入れる。
- 粗熱が取れるまで放置し、キッチンペーパーなどで濾して完成。
写真撮り忘れました…。薄い黄色か黄緑色の油になると思います。
作り方(完成編)
ラーメンの作り方の原則として
- 丼を一度お湯で温める
- スープは麺が上がる少し前に丼に入れる
ということはできるだけ守ってください。ラーメンは熱々の方が美味しいと思うので。
作り方
- スープを解凍し、沸かす。このときチンゲン菜と味の素を加える。
- 温めた丼にたれの材料を入れる。
- 麺を茹でつつ、スープを丼に入れかき混ぜる。チンゲン菜は取っておく。
- 茹でた麺を加え、肉味噌とチンゲン菜を乗せる。
- 最後に花椒油をまわしかけて完成。
花椒油を最後にかけることがポイントです。香りづけの油なので一番最後にかけることで熱で香りが飛ぶことを防ぎつつ、程よく温まることで香りが広がります。
コメント
ごまの風味と、花椒の香りがとてもよく合います。花椒が苦手な人は入れなくても十分美味しいと思います。椎茸スープなしでも全然美味しいと思います。ただ、入れた方が僕は好みでした。うま味も増えますし。
肉味噌は大量に作れば何にでも使えるので便利です。麻婆ナスとか麻婆春雨とかが手早く作れるようになりますし、チャーハンに入れても美味しいと思います。めんどくさい時はインスタントラーメンに乗せるだけでも十分だと思います。
芝麻醤もゴマだれとして転用できます、棒々鶏とか。花椒油も色々なものにかけてみるといいと思います。中華系の炒めもものや麻婆系にかけるだけで本格的な味わいになるので。
色々作るのは面倒だなと思うかもしれませんが、一度材料を全部作ると後々色々なところで活用できるレシピだと思います。
材料調達メモ
スーパーでは手に入りにくいものをどこで手に入れるかのメモを残しておきます。
アジアンマーケット
- 白ごま
- 豆板醤
- チンゲン菜
- 干し椎茸
- 酢
- ラー油
- 味の素
- 四川担担麺
- 花椒
白ごまはBilka、近所の八百屋でも見ました。
八百屋さんのが一番安くて700gで40krでした。
参考レシピ
ラーメンの基本2(タレ、アブラ、具)
前回に引き続きラーメンの基本をお話ししたいと思います。
タレ
タレは基本的に醤油、塩、味噌の3種だと思います。色々種類はありますが、これの派生と分類できると思います。以下では醤油ダレについて考えたいと思います。
タレは目指したいラーメンによって、シンプルにするか複雑にするかで方向性が違います。
シンプルな場合は「醤油+みりん」だけです。その代わり、醤油やみりんを徹底的にこだわり抜かなければ、満足の一杯は作れません。当然、ここデンマークはこだわり抜くほどの選択肢はないので、この方向性は避けたいです。
複雑にする場合、醤油やみりんとともに、昆布や煮干し、かつお節、干し貝柱などを一緒に煮込むことで、より複雑な味わいを追求します。デンマークでは乾物はあまり手に入らないので、ほんだしやいりこだしなどの顆粒だしを加えることになりそうです。
デンマークで手にはいる醤油とみりんを紹介します。
塩ダレは醤油ダレと考え方自体は一緒だと思うので、以上の話は醤油を塩に置き換えてください。味噌はまったく違う話だと思うので省略します。
アブラ
アブラはラーメンの中核となる部分です。ラーメン屋さんでも、他はまったく同じでアブラだけが違うラーメンが別のラーメンとして売られていることもあるぐらいです。それだけ、ラーメンを左右する要素でありラーメンっぽさを作り上げている要素です。
自作ラーメンを考えるときに、初めからアブラに注目する人は少ないと思います。どうしても麺とスープとその味付け、具が目につきますから。しかし、アブラを的確に使えば、香りや口当たりがぐっとお店のものに近づきます。
さて、アブラといっても実は香味油と動物系の脂の二種類に分かれると思います。
香味油
香味油はサラダ油やごま油、米油などの植物系の油に(たまに動物系も使いますが)、食材の香りを移した油のことです。
例えば、
- ねぎ油
- にんにく油
- ラー油
- 花椒油
などが挙げられます。中華食材コーナーに日本であれば売っていると思います。
作り方はおおむね多めの油に食材を入れて弱火でじっくり揚げ、ざるでこすだけです。(詳細はネットで調べればすぐ出てくると思います。)
デンマークではサラダ油とオリーブオイルが手に入りやすいと思いますが、『男のパスタ道』*1が明らかにしているように、油を十分加熱した場合、オリーブオイルとサラダ油の区別はつかないことが明らかにされています。(本の中では油を実際に飲んでいます)
そのため、十分オリーブオイルで香味油は作れると思います。むしろ、オリーブオイルの方がヨーロッパではこだわる人が多いので品質自体がオリーブオイルの方が高く、オリーブオイルで作った方が口当たりがいい気がします。
注意として、香味油は加熱しすぎると香りが消失します。(例えば、玉ねぎ油で炒飯を作ると本格化なのか – 炒飯の山)ですから、スープに入れるのではなく、「あらかじめ丼に入れスープを注ぐ」、「または完成したラーメンの上からかける」、が正しい使い方です。
脂
動物系の脂も独特の風味があり、様々なラーメンで使われています。ちなみに、こちらの方があるとないの違いが分かりやすい強い風味だと思います。
種類は牛、豚、鶏の脂に分けられますが、牛脂を使ったラーメンは珍しいので省略します。
鶏油(チーユ)
家庭でできる鶏油の取り方は二種類あって、
- 鶏皮をフライパンに乗せ弱火でじっくり加熱。脂がじわじわ出てくるので、皮から出る泡がおさまるまで脂をだす。
- 鶏ガラスープをとったあと、スープを冷やし上で固まった油をすくう。
の二種類がおもに使えるかと思います。
炒める方の写真しかありませんが…
このとき、皮を炒める方が癖が強い脂になります。なので、普通の醤油ラーメンなどに加えるときは少量でコクが出る前者の方がいいです。
逆に、鶏油まぜそばなど鶏油がダイレクトに味を決めるときは後者の方が向いてます。
ちなみに業務的には鶏脂という脂が集中した部位を煮て上澄みをとることで大量に作れますが、家庭ではそんなに大量にいらないと思います。
ラード、背脂
豚から取れる油としてはラードと背脂をおもに使います。
ラードを作るときは、チャーシューを煮た汁を冷蔵庫に入れて上に浮いて固まった脂を取るだけです。
背脂は日本では単体で手に入りますが、デンマークでは塊のロース肉などを買った時の脂身の部分を取ればいいです。まだこちらは挑戦してませんので詳細は後日書きたいと思います。
背脂はスープに加えたり、茹でてこすなどしてクリーミーにした後ラーメンに直接かけるなどします。背脂を使うとこってりラーメンが作れるようになるので、試行錯誤していきたいと思っています。
具
具に関しては、好きなもの乗せればいいと思います。
が、定番みたいなものはあるのでデンマークで作れるかどうかを見ていきます。
味付け玉子
味玉は簡単に作れます。
- 醤油:みりん:水=1:1:3 の混合液を沸かす(アルコールを飛ばす)
- ゆで玉子を作って殻をむく
- 1の液にゆで玉子をつけ、冷蔵庫で一晩以上寝かす。
みりんがなければ、白ワイン+砂糖で代替可能です。
チャーシュー
チャーシューは作れることは作れますが、あまり自分では納得いってません。
チャーシューの作り方自体はネット上に転がっているので、とりあえず自分が納得するまでは自分の方法を書かないでおきます。
ネギ、もやし、ニラ、のり
ネギはデンマーク中どこのスーパーでも手に入ります。英語ではspring onionですし、割と一般的な食材です。チャーシューを炊くときにスープに入れたり、ねぎ油をとったリアすることもできます。
これで100円ぐらい。日本と比べてだいぶ安い。味は日本のより薄め。
もやしはIrmaというスーパーで、ニラとのりはアジアンスーパーで手に入ります。日本よりぜんぜん高いけど。今度買ったときは写真撮ります。
とりあえず、基本編は以上ということで。
*1:土屋敦 2014, 日本経済出版
ラーメンの基本1(麺とスープ)
ラーメンの構成
ラーメンを構成するものは以下の5つです。
- 麺
- スープ
- タレ
- 油
- 具
この分類はいくつか例外はありますが、これがベースとなる考え方だと思います。(少なくとも私は今後この分類に基づいてラーメンを作っていきます。)
それぞれの理論とデンマークでの現実を見ていきます。
麺
デンマークではアジアンスーパーで何種類かの中華麺が手に入ります。
これは使えそうな2つです。上は唯一の乾麺じゃない麺で3玉400円ぐらい、下は300円ぐらいですね。二種類ぐらい他の乾麺を食べましたが写真撮り忘れました。(一個は油臭くて二度と買わないレベルのやつでした。)写真の麺はまだ食べてないので味の感想などはいずれ。
ちなみにラーメンの麺といえば黄色い中華麺ですが、かんすいというアルカリ性の添加物を小麦に混ぜることで、中華麺たるコシや食感が出るそうです。このかんすいの働きでラーメンの麺の黄色い色や食感が生まれます。うどんやパスタには入ってないので、そのままラーメンスープに入れても違和感半端ないです。
パスタを重曹ないしベーキングパウダーで茹でることで中華麺化するという方法がネット上にあるので試して見ましたがどことなくパスタっぽさが残っているの(おそらくデュラムセモリナというパスタ用の小麦の味)と苦味が残ったので(一応沸騰したお湯で洗い直しましたが)、あまり使える方法ではないかなぁと思いました。
また、かんすい自体も麺に入れすぎると苦いです(アルカリ性だからですかね?)。中華食材のやや黄色が濃いなぁと思った麺はちょっと苦く感じました。ただ、十分食べれる味だったので、いずれ紹介するかもしれません。
太麺とか絶対売ってないので(そもそも太麺のラーメンは近年日本で発達したものだと思います)、いずれは麺を打ってみようかなぁというところです。とりあえず簡単に手に入るものの中のベストを探そうかなぁと思っています。
*10/23 追記
上の蒸し麺はまずい。JAPANESE RAMENって書いてあるけど、実質焼きそばなので茹でるとコシが全くない。下のが唯一デンマークで納得いった麺。黄色くないけど、ラーメンの麺として邪魔する要素がない優等生。細いのと中華麺的味わいが薄い(かんすいがないからか)のが残念。
スープ
スープの構成
ラーメンのスープの基本は乾物系スープと動物系スープの混合です。
乾物系とは昆布、干し椎茸、干し貝柱などを使ったスープをさします。しかし、ここデンマークでは乾物系スープはほとんど作れません。乾物が手に入らないこともありますが、そもそもデンマークは超硬水なので乾物からいいダシが取れないのです(詳細はいずれ記事にしたいとは思っています)。
動物系とは豚骨(げんこつ、豚足など)や鶏ガラ(手羽ガラやもみじなども)、背脂などを使ったスープを指します。デンマークでは鶏ガラっぽいものと塊のバラ肉などは手に入るのでこれらのスープが基本のスープになると思います。また、普通のひき肉などからもスープは取れるので余った適当な肉をスープにするという手もあります。
ちなみにかつお節は後述のとおり性質としては動物系です。
また、最近は貝の出汁のラーメンも登場しているので、デンマークでも手に入るホンビノス貝などを利用してスープも作れそうだなと思っています。
うま味の組み合わせ
スープを作るときに考えないといけないのはうま味の組み合わせです。
うま味成分(グルタミン酸やイノシン酸、グアニル酸など)には相乗効果があるとされ、グルタミン酸×イノシン酸、グルタミン酸×グアニル酸の組み合わせが特に効果があるとされています。
うま味インフォメーションセンターの食材別うま味情報を参考に考えて見ます。
乾物系スープは、昆布はグルタミン酸が主で、干し椎茸はグルタミン酸も多量に含みますがグアニル酸も多く含むことがわかります。貝もグルタミン酸を多く含むことがわかります。一方で動物系スープはイノシン酸を主に含むことがわかります(かつお節もですね)。
つまりうま味の相乗効果が混合スープによって引き出されていることが分かります。ここで問題なのはどうやって乾物系のグルタミン酸をデンマークで手に入れるか、ということになります。二つ(ないし三つ)ぐらい方法が思い浮かびました。
一つは顆粒の昆布だしを使うことです。僕は日本から多少持ってきましたが、アジアンマーケットやBilkaという大きいスーパーでも手に入ったような気がします。
もう一つは味の素のようなうま味調味料です。味の素はデンマークでも手に入るので、これも一つの手かと思います。うま味調味料は有名ラーメン店でも使ってたりするので、私自身は抵抗ありません。ちなみに味の素の主成分はグルタミン酸ですが、イノシン酸のうま味調味料、グアニル酸のうま味調味料なんかも存在します(日本では手に入りますが、デンマークでは知りません)
おまけですが、トマト(特にドライトマト)はグルタミン酸を多く含むのでトマトラーメン限定ですがトマトの活用という手もあるんじゃないかなぁと思いました。
長くなったので今回はここまでです。次回、タレ、油、具についてコメントしていきます。
デンマークでラーメンが食べたい
当たり前ですがデンマークではラーメンが一般的な家庭料理ではありません。
そもそもラーメンは日本で独自に発達し今もなお進化を遂げ続けている最先端の日本食と言っても過言でないので、ここデンマークで「ラーメン」を食べるのことは簡単ではありません。(コペンハーゲン市内にラーメン店は何店舗か存在しますが、一杯2000円ぐらいするので…)
ここであえて「ラーメン」というのは、「ラーメンっぽいもの」はそれなりに手に入るからです。中華料理の麺料理やインスタントラーメンはスーパーなどでも比較的簡単に手に入ります。
しかし、高度に発達した現代ラーメンに慣れ親しんだ人(特にデンマークでもラーメンを食べたいと思うようなラーメン好き)にとってこれらは、どこか物足りない、俺らが食べたい「ラーメン」じゃない、と感じるのではないでしょうか。
しかし、「ラーメン」に対する正しい知識があればデンマークで手に入る限られた食材でも十分「ラーメン」が作れます。もっと言えば、理屈がわかればなぜインスタントラーメンや中華の麺料理に何が足りないのかも分かります。アレンジや代用もある程度効かせられるようになるはずです。
ただ、理論編は長くなりそうなので次回に回したいと思います。
今回はとりあえず、自分が使っている食器の写真を載せておきます。
丼はIKEA、箸とレンゲはアジアンスーパーで手に入れました。
丼は糸じりがないのでラーメンを入れて運ぶ時は下に小さめの皿を引く必要があります。
自己紹介
どうもナイスタックです。
僕は日本でラーメン屋で2年以上アルバイトしており、ラーメンの自作も半年ぐらいやっています。ラーメン好きと言ってもいいと思いますが、あんまり他のラーメンは食べてないので、少し違った形のラーメン好きだと思います。
現在デンマークに留学中ですが、試行錯誤しながらラーメンを自作しています。趣味というものは制限があった方が盛り上がると思うので、色々手に入らないものばかりですがなかなか楽しいです。
一緒に留学中の友達からちらほらとレシピの要望があったのと、自分もレシピを文章化したいなぁと思ってたところだったので、ブログを始めました。
とりあえずの試みということでご自愛ください。